
MEMBER09
T.F.
慶應義塾大学
麻生医療福祉&保育専門学校
校長代行
常に顧客を第一に考え
世の中の変化へ対応する
現在は麻生医療福祉&保育専門学校で校長代行として業務しています。 校長先生は複数の学校を兼任されているので、代わりに私が実務全般の意思決定を行っています。目指していることは「顧客である企業が真に求める人材を育成する」ことです。具体的には、企業との対話を通して課題を明確にし、それを解消できる人材を育てるための教育カリキュラムを作っていきます。
世界的パンデミック、オンラインテクノロジーの発達、AIの登場など世の中はこれからも加速度的に変化していきます。そんな世の中の変化に合わせた教育を提供するためには、教員一人ひとりがその変化を敏感に感じ取り、自身の授業に反映させていき、学生の成長に寄与する必要があると考えています。


安定を求めた結果
良いギャップとの出会いに
転職のきっかけは、2011年の東日本大震災です。当時、関東の企業に勤めており、愛する妻と結婚し長女を授かったときのことでした。様々な報道の影響から生活の安定を図りたいという思いが強くなり、地元の福岡に移り住むことを決め、転職活動を行いました。経営基盤が安定していて、県外への転勤もなく、学校での業務という、生活の安定を図るうえでこの上ない条件に当てはまったのが麻生塾でした。
2012年7月に麻生塾に入社したのですが、今の理事長である麻生健さんが同年5月に統轄本部長として麻生塾に着任しており、本当に運良く席が隣でした。業務における違和感などを話していると「それ、改善してよ」と言われたことがスタートでしたが、いろいろな業務の改善を行い、気がついたら12年経っています。福岡にある老舗企業で歴史ある専門学校なのに自由度が高く、新しいことにチャレンジできる環境で働けることが、現在のやりがいとなっています。


介護の輸出には
大きなビジネスチャンスが
最近で一番印象に残っていることは、将来介護福祉士になる中国人留学生の集客の為に、中国の成都を訪れた際に感じた日本との大きなギャップです。成都は中国の南西部の内陸都市で、人口2,100万人(福岡県は約500万人)、地下鉄が12路線(26路線まで拡大中)あり、市街地を出歩くとそこら中で工事をしています。日本では感じることができない発展のエネルギーにあふれており、ハード面では勝てないと痛感しました。
一方、介護業界にフォーカスすると、介護保険のカバー率が人口の10%で、介護は家族で行うのが当たり前で、介護福祉施設が成都にはまだありません。日本の高齢者率はすでに30%を超えていますが、中国では2035年に30%を超える見込みで、それに合わせて介護保険制度のカバー率を100%にしていくことが決まっています。つまり、中国ではこれから10年かけて介護マーケットが10倍になる可能性がとても高いということです。
介護福祉においては、日本のほうがずっと先に進んでいて、日本の介護技術などをアジア諸国に輸出できれば、大きなビジネスチャンスとなり得ます。


世界中の人々の
生きがいをデザインする
成都の中和職業中学(日本でいう高等学校)では4,000人の学生が学んでおり、その中に介護に特化した学科があります。その学生たちと話をしましたが、彼らは将来中国で介護が必要になることを理解していて、先進的な技術を学ぶために日本に留学したいという明確な意思を持っていました。中国で介護を学びたい学生には、日本は魅力的に見えているようです。
また、先日訪問したミャンマーのヤンゴンにも1,000人の学生が通う日本語学校があり、福岡の魅力、介護の魅力を発信してきました。外国人が受験するJLPTという日本語能力試験があり、ミャンマーにはその受験者数が10万人程(ミャンマーの総人口は約5,400万人)います。実はこの受験者数は中国と同じです。総人口は中国と20倍程の差がありますが、JLPTに絞ってみると中国と同じです。
ニュースにもなっていますが、政情が不安定なため、国外に出たいという機運が高まっています。月収の差も20倍程あり、日本で働きながら国に十分な仕送りができるので、長く日本で働きたいというニーズがあります。
これは日本の介護現場からしても、安定した労働力として期待ができる状態です。 日本の教育を海外に輸出することで、将来日本で働きたいと思う外国人を育成していくことも、ASOの大切なキーワードの1つです。
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